ネコの運んだ奇跡

それは高校時代のことでした。

私と親友の女友達、2人で遊んだ日の帰り道。
道路の端に座り込むひとりの学ランを着た高校生。

「関わらない方が良い」

頭でそう判断し、自転車を押して通り過ぎた。
…そう、一度は通り過ぎたのに気付けば自分はUターンをしていた。
具合が悪いのかな?
そう思った私は、高校生に歩み寄って声を掛けてみることにした。

「大丈夫ですか?」

背中から掛けられた声に気付き、振り向く高校生。
その顔は、どれだけ泣いたのだろう…涙でぐしゃぐしゃになっていた。
震えた声で紡がれた声。

「ネコが…今、車にひかれて」

そう言われて、自転車をとめ、初めて相手の事を正面から見た。
確かにその人の腕の中を見ると、確かに息絶えたネコが抱き抱えられていた。
そっとそのネコに触れてみるとまだ温かかった。
つられて私も涙を流した。

まだ寒い時期ではあったけれど、
3人で近くの公園に穴を掘り、そのネコを優しく優しく埋めました。

「もうひかれちゃダメだよ」

と、3人で言い残し公園を後にしようとした時、
偶然その男子高校生の同級生3人が公園にやって来たのです。
夜も遅く、暗くて危ないと親友と私はそれぞれ家まで送ってもらうことになりました。

それから数日後、連絡先を交換した一人に告白をされ付き合う事に。
彼氏も欲しかったからちょうど良いか…そんな感覚でした。
そしてさらに数日後、私の親友とネコを見て泣いていた高校生が付き合うことに。
お互いに彼氏が出来て浮かれていたので、Wデートをしよう!
そんな話が浮上し、バレンタインに合わせて計画を実行しました。

すると、どうしたものか…
私の彼と親友、親友の彼氏と私の話がなぜか話が盛り上がっていました。
親友の彼とトイレでちょうどハチ合わせ、

「付き合う相手、間違えたのかもね」

そう言って苦笑い。

私は思い出したら即、行動に移す人間でした。
数日後、彼に別れを告げ、親友の彼に告白をしました。
そして彼も数日後、私の親友に別れを告げ、お付き合いをすることに。

しかし、幸せな日々は長くは続きませんでした。
彼が私より一つ年上だったので、彼は高校を卒業し専門学校に通うようになり、
毎日、

「今日、女の子と喋ってばかりだった」
「修学旅行の日は女子の部屋で寝たんだ」

そんな話を聞かされて、ヤキモチを我慢していたのですが、
我慢の限界に達し、別れを告げました。
別れの理由は何でも良かったのです。
ただ、私は苦痛から逃れたかった、ただそれだけでした。
しかし、この彼との出逢いが後にどんな結果になるかは、その時の私にはわかりませんでした。

ただ、今言えるのは、きっとあのネコが私たち2人を巡り合わせてくれた…
あのネコが居なかったら今の私は居なかった、そのことだけです。

@華月

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